外壁のコケを綺麗に落とす方法と予防するポイント

お家を購入して10年ほど経過すると、外壁のコケが目立ってきませんか。

毎日目につくからどうにかしたいとは思いつつ、どう対処すればいいかわからないですよね。

外壁や屋根についたコケ、実は美観を損ねるだけでなく、お家の健康状態にも影響を及ぼします。

今回は、なぜコケができてしまうのか、そのメカニズムからお手入れ方法、今後コケを付けないための予防方法を皆さんにお伝えします。

目次

1.外壁にコケがついてしまうメカニズム

コケってなぜできるの?

家につくコケってすごく煩わしいですよね。

でも、いったいコケってどこからきてなぜ繁殖してしまうのでしょうか

こけの発生は、風に飛ばされたコケの胞子が壁面や屋根に付着することでおこります。

コケは、林や川べりなどから風によって胞子が飛び、お家に付着すると湿気を吸って成長します。

コケはなぜ増えるのか?

コケは水分や奉仕などの栄養があるとどんどん増えていきます。

特に温度や雨などで湿度が上がる箇所は繁殖が早い為、劣化して防水性が低下した外壁や屋根に含水率が増えるとコケが増えやすくなります。

コケができやすい家の特徴

では、コケが付きやすい家にはどんな特徴があるでしょうか

自分の家にあてはまるか、下記をチェックしながら見てください。

◇環境からみるコケの生えやすい家

環境理由対策
川べりに面した家湿気が上がり、コケの繁殖に適した環境です。地面の湿気を取るだけでもコケは軽減されるので、土壌に軽石などをまぜるだけでも対策になります。
林、森など樹木に面した家胞子が飛んできやすく、家に付着しやすくなります。定期的に外壁の掃除をすることで軽減できます。市販のコケ洗浄剤で洗浄します。  
日当たりの悪い家日当たりが悪いと、外壁表面が乾燥しにくいので湿度が高くなりコケが繁殖しやすいです。地面の湿気を取るだけでもコケは軽減されるので、土壌に軽石などをまぜるだけでも対策になります。
風通しの悪い家風通しが悪いと、外壁表面が乾燥しにくいので湿度が高くなりコケが繁殖しやすいです。塀によって風通しが悪くなっている場合には生垣にすることで風通しを確保できます。

◇外壁材から見るコケの生えやすい家

外壁材理由対策
モルタル壁モルタルは、砂とセメントを主原料とした外壁材です。曲面にも施工でき、仕上げ方に自由度があります。 独特な凹凸がついているのが主です。そのため溝に水が溜まりやすく、コケが繁殖しやすい仕上げ材です。家庭用洗浄機などで定期的にコケの胞子や油脂を洗い流すことでコケの繁殖を防ぎます。
リシン/スタッコ壁リシン/スタッコ壁は、アクリル塗料に骨材を混ぜた塗料で形成されます。通気性や透湿性に優れており凹凸があります。 多彩模様や成型時の凹凸の多いデザインは水が溜まりやすく、コケが繁殖しやすいです。家庭用洗剤でこすると、骨材が取れ露出した地下に雨水が侵入するリスクがあるので、防カビ・防藻機能のある塗料で未然に防ぐことをお勧めします。
サイディング壁窯業系サイディングは、日本の戸建で最も使用されている建材です。近年は、デザイン性の高いサイディングが多く販売されています。凹凸の多いデザインは水や汚れが溜まりやすく、コケが繁殖します。凹凸の少ないものの場合、定期的に家庭用高圧洗浄機などで洗い流すことで綺麗になります。水はけの悪いお家の場合、業者にバイオ洗浄を依頼して清潔さを長く保ちましょう。

自然に囲まれた郊外のお家などは特にコケが繫殖しやすいです。

また、日当たりの悪い北面の外壁などは、よりコケが繁殖しやすい状態になります。

家と家の間が狭かったり、高い塀で囲んであったりする場合は風通しが悪い為、コケが生えやすく注意が必要です。

コケを放っておくと起こる劣化現象

コケを放っておくとどのような劣化に繋がっていくのでしょうか。

劣化現象理由進行すると・・・
建材への浸水コケは水分を含み、保水する力がある為、建材が常に湿っている状態になります。ゆっくりと、壁面に水が浸み込む恐れがあります。窯業系サイディングが外壁材の場合、水を常に吸っていると反りなどの劣化に繋がる可能性があります。
コケのさらなる増殖コケを放っておくと、水分を吸ってさらに増殖をします。 特にコケが胞子を撒く時期に一層増えていきます。コケは水を含む性質を持っているため、常に外壁材に水が触れている状態になります。仕上げ材の塗膜膨れや剥離が発生する可能性もあります。

コケは植物、カビは菌類

コケもカビも外壁を汚く見せてしまう煩わしいものですが、そもそも何が違うのでしょうか。

コケとカビの違いと共通点を説明します。

種類特徴見分け方
コケコケは陸上植物です。コケは小型のコケ植物、ダ類、種子植物の総称です。胞子によって増殖します。植物の為、水分と光合成が必要で乾燥や日光の不足により枯れる場合があります。植物の為、基本的に深緑から黄緑色など緑系統の色をしており、茎と葉をもっています。 完全に日光が当たらない場所には生えません。
カビカビは菌類です。有機物の上に発する菌類、菌糸の集まりをカビといいます。
カビ菌によって増殖します。適切な温度と80%以上の湿度、少量の酵素と有機物があれば無制限に増殖をする事が可能です。
植物では無いため、黄色や白、黒、赤など明らかに緑系統の色ではない場合それはカビです。また日光がなくとも増殖するため完全に日の当たらない部分に生えている場合カビの可能性が高いです。
地衣類地衣類は菌類と藻類の共生生物です。菌糸で作られた構造の内部に藻類が共生しており、藻類の光合成の産物によって菌類が生活するものです。一見コケにも似ていますが構造は全く違います。緑藻を持つものは、銀色を帯びた白っぽい緑か薄い青緑をしています。 藍藻類を持つものは青みを帯びた黒っぽい色です。 地衣類には規則的な葉のような形を持つものはほとんどありません。

2.コケを除去する2つの方法

コケはお家にとって避けられない劣化の一つです。

ではそんなコケを綺麗に除去するのにはどんな方法があるでしょうか

2-1業者ですべきか、自分ですべきかラインはどこ。

まず、どんなコケの症状だと業者に頼んだ方がいいのか、どの程度なら自分でも掃除ができるのかの判断基準をご紹介します。

 低所のコケ高所のコケ
軽度のコケ自分 低い位置で軽いコケの場合は家庭用に売られているコケ洗浄剤などを使用して自分で掃除をすれば十分です。 綺麗なままで保ちたい場合は塗り替えのタイミングで防カビ・防藻の塗料を使用することを検討するものいいでしょう。業者 高所のコケで軽い場合には、絵の長いロングモップや家庭用高圧洗浄機でも掃除可能です。   ロングモップや高圧洗浄の水が届かない高所は足場を組む必要があるので業者に依頼しましょう。  
重度のコケ業者 重度のコケの場合、家庭用のコケ洗浄剤では落ちない場合があります。また、強くこすり過ぎてしまうと外壁材を痛める為業者に依頼しバイオ洗浄などを行うことをお勧めします。業者 重度で高所のコケは業者に依頼しましょう。 足場を設置し、高圧洗浄する必要があります。

業者に依頼するコケの除去

業者に頼んでコケの除去をする場合高圧洗浄やバイオ洗浄で落とすのが一般的です。

ただ、高所作業になると足場が必須で、高額になりやすいので塗り替えなどのメンテナンスと合わせてコケの除去のための洗浄をするとコストパフォーマンスの面で良いです。

◇業者に頼む際のメリットデメリット

メリット家庭では再現できない高圧の水を当てることによって汚れを落とすことができる2階部分の壁面など手の届かない場所もきれいにしてもらえる洗浄の際は養生シートを家の周りに掛けるため汚水が飛ぶ心配がない。またそれらを心配する手間が省ける  
デメリットコストがかかる本格的なコケの除去をする場合、足場を組む必要があり、追加で費用がかかる

自分で行うコケ除去

軽度であれば自分で掃除することも可能です。

◇自分で行う場合のメリット、デメリット

メリットコストを抑え手軽に行える足場の組立てなどを行わないため短期間で綺麗にできる  
デメリット家庭用で使用する水圧には限界がある2階の外壁など高所になると届かない場合がある

3.今からコケを予防するためにできること

せっかくコケを除去して綺麗にした外壁は、その美観を長く保ちたいですよね。

ここでは外壁にコケが付着するのを防ぐ方法を紹介します。

拭き取りで予防月に一度程度、やわらかいタオルにお湯を含ませて外壁を拭くことで予防できます。 コケやカビは熱湯に弱い為、45度以上のお湯で死滅させることが可能です。
お酢で予防お酢を水道水で3倍から20倍に薄めて刷毛ややわらかいタオル等を使用して外壁に散布する事でコケが生えてくるのを予防できます。 また、コケや藻が生えている場合落とすことも可能です。  

まとめ

コケを綺麗にする方法と未然に防ぐ対策についてご紹介しました。

一度綺麗にしてもコケはまた生えてきます。

そうならないためにも未然に防ぐ対策を講じておく必要があります。

コケは美観を損ねるだけでなくお家にもダメージを与えます。

「そろそろコケが目立つな」と思い立ったら、コケの除去を早めに検討してはいかがでしょうか。

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